Specialty of Temjin Pickup // TEMJIN PICKUP

ピックアップの役割をご存知ですか?

英語の「Pick Up」という言葉通り「拾い上げる」という意味です。
では、何を拾い上げているのでしょうか?

それは、木が出す周波数です。
あなたの身近にある木材でできたものを叩いてみて下さい。机や本棚など、使われている木によって音が異なっていませんか?これは、木の密度や剛性、含水量など様々な要因により、出ている周波数が違っているためです。

エレキギターやベースもあなたの身近にある木材でできたもの同様、木が使われています。
ということは、ボディ材やネック材や指板の組み合わせによって音が違うはずなのです。

しかし、現行のギターの音はどうでしょうか?
材の違いが出ているでしょうか?
材による音ではなく、ピックアップの音がしていませんか?

よくこのような質問を頂きます。「Temjinピックアップのキャラクターは?」
私はいつもこう答えます。「キャラクターは出さないようにしています。理想は『素直なピックアップ』です。材の音をそのまま伝えてくれるピックアップ作りを目指しています。」

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私は、ピックアップは工業製品ではなく、嗜好品であると考えています。
しかし、現在販売されているメーカー品のピックアップのほとんどが、工業製品として扱われているように感じます。

「いかに断線せずに高速で捲くか」の元、生産数を上げるため、高速自動捲線機を使い、ピックアップ1つ辺り約5分ほどで捲かれていると聞きます。月産3万個を目標にしているメーカーもあるようです。

高速で捲くため、銅線が乱雑に重なり、あらゆる方向で銅線が接触してしまいます。
ピックアップは全て絶縁処理が行われるのですが、一般的なピックアップには真空含浸処理という手法がとられています。
銅線が乱雑に重なったままでは、ノイズやハウリングがとても起きやすいので、銅線同士の隙間にワニス(ニス)を入り込ませ、それを硬化させることによって、絶縁させるのです。

このように捲かれたピックアップにはワニスを使うしかなく、こうしてガチガチに固められたピックアップが完成します。
絶縁処理が施されたからといって、ノイズやハウリングがなくなるわけではありません。
ノイズ、ハウリングに悩まされるプレイヤーが非常に多いことがそれを物語っていると思います。

速く捲くことは、良いピックアップ作りには繋がりません。

もっと言えば、音を理解している人が、実際にピックアップを捲くべきだと考えます。

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Temjinピックアップは、銅線が重ならない整列捲線のため、捲線の工程に時間がかかります。
Temjinピックアップの代表格「TL玄武」だと90分ほどかかります。
ゆっくり捲かないと整列捲線にならないからです。

整列捲線のため、ワニスを使う必要もなく、昔ながらの蝋(ろう)浸け処理を4時間×2回、じっくりと行い、Temjinピックアップが完成します。

一日にできるピックアップは、TLタイプならせいぜい3セットです。

なぜ、このように手間暇かけているか。

それは、

・低音がしっかり出る。
・キンキンと耳障りな高音ではなく、心地よい高音が出る。
・コードの分離感が出る。
・サスティーンが向上する。
・ノイズやハウリングが軽減する。

等のためです。

伝統工芸職人のように、手間暇かけて物作りをする。
それが唯一、良いピックアップを作る方法だと心から信じています。

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Temjinピックアップは、銅線にもこだわっています。

一般的に、ピックアップの銅線には「AWG42」や「AWG43」が使われます(※1)が、Temjinピックアップは、これよりも細い銅線を使っています。

これも試行錯誤の結果です。

この細い銅線は非常に切れやすいため、捲くのが非常に難しいのです。
これも捲線の工程に時間がかかる要因の一つですが、細い銅線を使うことにより、よりタッチが出るなど、音が良くなります。

オールドギターのピックアップの出力値(※2)は、6.5[kΩ]ほどですが、同じ捲き回数を細い銅線で行うと、抵抗値が上がります。
しかし、明白なほど出力は上がっていません。私の経験から言うと、音圧が増す感じです。

繊細で、低音がしっかり出て、高音がキンキンしない。

これが大事なのです。

(※1)AWGは、American Wire Gauge(アメリカン・ワイヤー・ゲージ)の略であり、AWG42=アメリカン・ワイヤー・ゲージ/0.063mm 、AWG43=アメリカン・ワイヤー・ゲージ/0.056mm を表します。

(※2)ピックアップの出力を表す値として、直流抵抗値(Ω:オーム)を使います。抵抗値が上がるにつれ、出力も上がります。

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私は、当工房のスタジオで、ピックアップを交換して驚いている沢山のお客様を目の当たりにしてきました。

その時こそ、私の至福の時です。

心の中でガッツポーズをしています。

『私のピックアップ作りは間違っていない』と確信を持つときです。

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